昨日言われていた今日の天気。
夜が明け今朝からこの予報が大当たり。
私が住む石川の地は風強く降りしきる雪の中では外出も
ままならず時空間を持って遊ぶ日となる。
そんな時「フッ」と目について手に取ったのがある詩人の
単行本である。
早速5~6分程ページを開いて行くと、今日の雪模様から人間の
心模様とか心の四季とかを詠み取れる内容ではないかと感じ皆さん
にその内容を紹介します。
雪の日に 吉野弘
雪がはげしく ふりつづける
雪の白さを こらえながら
欺きやすい 雪の白さ
誰もが信じる 雪の白さ
信じられている雪は せつない
どこに 純白な心など あろう
どこに 汚れぬ雪など あろう
雪がはげしく ふりつづける
うわべの白さで 輝きながら
うわべの白さを こらえながら
雪は 汚れぬものとして
いつまでも白いものとして
空の高みに生まれたのだ
その悲しみを どうふらそう
雪はひとたび ふりはじめると
あとからあとから ふりつづく
雪の汚れを かくすため
純白を 花びらのように かさねていって
あとからあとから かさねていって
雪の汚れを かくすのだ
雪がはげしく ふりつづける
雪はおのれを どうしたら
欺かないで 生きられるだろう
それが もはや
みずからの手に負えなくなってしまったかのように
雪ははげしく ふりつづける
雪の上に 雪が
その上から 雪が
たとえようのない 重さで
音もなく かさなってゆく
かさねられてゆく
かさなってゆく かさねられてゆく
この詩を読んだ後、現代社会を振り返り見るに
何か、いつも背中から押され無理矢理 足を前に
運ばされている。
又、前からは無理矢理引っ張られて 足を動か
されている。そんな無形の力が存在する感がしました。
もう少し心に余裕を。そして身体が喜ぶ空間間が有っても
良いのでは。と思ったひと時でした。